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乗っかってやってもいっか。って思えるのも不思議で。

それからも、私はわざわざ体をねじっているにも関わらず、俊也は私を見ずに妹さんの話を楽しそうにしていた。

緩い風が少し癖のついた俊也の黒髪を揺らしている。

男のくせに髪長くないか?

なんて考えていても俊也の話は終わらず、話たい『気分』なんだろうと察した。

そんな日もあるよね。

だけれど私はあえて、バッグから小説を取り出し、止まったままになっているページをめくった。

「聞け」

集中する間もなく、頭を丸めたフリーペーパーで殴られる。

「嫌」

また文字に目を落とすと、俊也はやっとフリーペーパーを地面に置いて、こちらを向いた。

どうやら話したい病は治まったようだ。