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昨日「わかんない」と言った私は当たり前のように、明日が今日になっていて、同じ場所に来ていた。

18時間と長い長い時を刻んだ私と腕時計はくたびれたように、ベンチに体育座りをして、昨日とは違う暑いくらいの日差しに照らされる。

埋めた顔を抱く腕を、午後の柔らかい風で揺らされた、傷んだ髪が突き刺すようにあたった。

何で?

何度も頭の中を同じ言葉が走っていく。

今日が……終わったはずの今日はなかなか終わってはくれなくて。

ここへ来ると考えなくていい事をさっきからずっと考えている。

やめたくても、止めたくても止まらない。

こんなに明るいのに読みかけのあの小説は鞄に入ったままだ。

この時は、いつになったら終わってくれるのだろう。

「今日は早いのな」

こちらも当たり前のように。ドサッと、右のベンチが壊れてしまうんではないかと思う音が聞こえる。

「今日はジャンプ持ってねぇの?」

ふさぎ込んでいた私は「ふう」と大袈裟に息を吐き出して、顔をあげた。

「辛気臭せぇな」

ほっといてほしいような、ほっといてほしくないような。

当たり前のようにこの場にスッポリはまってしまう男。

変な奴。