against

見られたくないのは私も同じ。

もっと見ていたい美しい景色に心残りはあるが、そっと階段を降りる事にした。
どうせ辺りは濡れているし。

一歩、後に下がった時だった。

重たい中身に耐え切れなかった鞄の持ち手が、ビリッと擦れるように剥がれそうになり、さらにその重たさに耐え切れなかった私の足が力いっぱい踏み込みジリッと音を出す。

げっ。と思う暇もなく、気付かれたか気付かれていないかわからない状態で、私は重たい鞄を両手で抱え、階段を滑らない事を祈りながら駆け降りた。

私の推理も捨てたもんじゃない。