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「そうなんだ……」そんな返ししかできずに、アスファルトに視線を向けた。

私はいつもこういう奴だ。

何か人に告げられても飲み込むことしかできずに、だからと言って飲み干せずモヤモヤして、かと言って吐き出すわけでもない。

綾菜は何か私の意見が欲しくて私に妊娠を告げたんじゃないか、よくそう思っていた。

自分の意見で人の人生が変わるなんてあり得ない、そう思うのに怖くて。逃げてばりいたんだ。


「私、産むよ」

視線を感じて綾菜と目が合う。「ちゃんと育てる」そう言って笑う綾菜は私が知っているいつもの綾菜ではなかった。

強い視線に思わずこちらが目をそらしてしまいそうになる。

「うん」

そうとしか言えなかった。

相談相手になれなくてごめんね。とか、言えないのは相手がそれを望んでいるかわからなかったから。

つくづく情けなく頼りない自分。