「俺さぁ……」

辺りが暗くなり俊也の姿は形だけ認識できる程度。それでも、そこを取り巻く空気は温かいだろうと思った。

とても優しい声だったから。

「なくしてから思ったけど、友達とか友情とかよくわかんねぇ」

私もわからない。

わかっていたら繋ぎ止められた?形にできた?そんな風に思う自分もいる。

「前はさ、探さなくてもそれがあって、考えなくてもそれができてたから」

よく見えないけれど苦笑いしているようだった。

私も同じ。

情けないというか、なんというか。

今まで自分がやってきた事の意味なんか探しても見つからなくて。それは適当に流れていた自分だからだと思っていた。

でも、俊也も同じ。

一生懸命に過ごしていた俊也も同じだなんて、この時間は本当に悲しいくらいに残酷で。

ただ、平等なんだ。