against

そう言って立ち上がり、夕日に向かって腕を伸ばしながら背伸びをした。

こんな時に有効な言葉ってどんなのだろう。

人の気持ちや意思なんかを私のちっぽけでつまらない言葉で変えられるなんて到底思わない。

「何難しい顔してんだよ」

こちらを向いた俊也は何故かスッキリとしたような表情でいた。

その表情だけで、何も出来ない自分の愚かさが救われる気がしたんだ。

「いや、う、うん」

夕日は沈まず待ってくれていた。いつもよりゆっくり感じるのは、そばにある空気が穏やかで心地よいからかもしれない。

「アレ、本当かもな」

「え?」

「悩みなんてってやつだよ」

「あ、あぁ……」

まだ根にもっているのか……と思ったけれど、“人に話す時点で解決してる ”って事なんだって理解した。

解決してるんだ。

そっか。そうだよね。


よかった。