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自信たっぷりの俊也だったけれどこれ程とは。まだ昼休み、こんなに人に会わないルートが学校に存在していたなんて。

二人で校内を歩くことを躊躇した私だったけれど、俊也って気配というか、オーラのようなものを消すのも上手い。

何者だよ。

前世が忍者だったとか、何かの訓練を受けたスパイだとか、それとか私には見えていない何かが見えている特殊能力者、いや、宇宙人だったり。

俊也の後ろを置いていかれないように、それでも微妙な距離を保ちながらついていく。

私はやっぱり探偵かな。

妙な緊張と期待感。久しぶりに楽しくて、強ばって下を向いていた顔を上げて笑いたくなってしまう。

次に着いたのは誰も使わないような校舎の隅のトイレ。誰にも会わないだろうけど、寛げなさと雰囲気がナシだなって思った。まぁトイレだから当たり前か。

その次はそのトイレの脇の階段を最後まで登るとある踊り場。誰かと鉢合わせたら逃げ場はないけれどいい場所だ。

その次は体育館。ここは入るのに一苦労。換気するためだけにつけられたような窓から侵入。何でも侵入用に体育の時間に鍵を開けとくのだとか。

苦労して入っただけあって、体育館は舞台の下だったり、上だったり、利用できる場所が多くて俊也も気に入っているらしいのだが、ヤンキーに遭遇する率が高いよと嘆いて笑った。