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階段を上った先には、小さなスペースが広がっていた。右側は木々が無造作に並び、左側は下界が望めた。

その小さなスペースをさらに小さくする小屋がある。昔、公民館として使われていた物だ。

今、その面影はないにも関わらず、誰が見てもわかるような大きな南京錠がかけられている。

真ん中に何のためにあるのかわからない石碑がドンと置かれていた。

その石碑の前には綺麗な下界の景色が広がり、その方向を向くように、錆びてしまったベンチが二つ。


この場所こそが私の場所――

偽り続ける私の、唯一休まる場所。

ザラッとする今にも壊れてしまいそうなベンチに鞄を落とす。

少し背伸びをして空を見上げれば、焦りだした星たちが早くも顔を出していた。

ベンチに腰を落とし、この頼りない星たちでは無理だとわかっていても、つい鞄に手を入れてしまう。

目的の物を取る前に携帯が手に触れる。

先に携帯だけ取り出し電源をOFFにしてから、もう一度鞄を漁る。