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先程のやり取りのおかげか、ゆっくり歩いてきたせいか、乗るはずだった電車は行ってしまったらしく、駅には電車は勿論、人も全く見当たらなかった。

いつもと変わらないのは私だけで。

今日も一人。あの階段を上るのだろうか。

ドスっと腰を下ろした冷たく固い椅子は、古びて剥がれた塗装が、あのベンチに似ている。

誰もいない。

少し頭を下げた太陽から、ギンっと音が聞こえてきそうな静けさ。

真っすぐ、砂利に挟まれるしっかりとした線路を見ていると、泣きたくなった。

ずっと、そうなんだ。

わからないけど、泣きたくなる。泣いてしまいたくなる。

やっぱり私の時計は止まってしまったみたい。

30分ってこんなに早かったっけ。赤い電車が私の目の前を遮るように、高い音を出して、停まった。