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授業のはじまる前は、いつもと同じで騒がしく。

教師が教室に入ってくれば、一斉に席につく。

机から教科書を取り出し、適当にページをめくる。

時間は人はいつものように動いている。

ほら、黒板の上にある丸い時計も、一秒一秒刻まれてんじゃん。

奈津美がいなくたって、綾菜が妊娠したって、いつもと変わらない。

ちゃんと、進んでいる。

進んでいるのに。

“私は何でここにいるんだろう”

いつも頭の奥の奥にしまい込んでいる疑問たちは、最近、常に頭の真ん中にいて。

何をするにも付き纏う。出てこないでほしい。

時が過ぎれば同じなんだから。

考えたって考えたって、やることは毎日同じで。

見るものだって変わらない。きっと未来だって。

私はとうとう進む事さえ、忘れて、しまうんだ。

もう私の針が進まない。