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綾菜は朝から『産む』としか言わない。

それまでは?その先は?

ふわふわ浮いているようにしか聞こえない綾菜の言葉に、不安が過ぎる。

私は女であるにも関わらず、自分の身にそれが起きる事が想像できない。

起きたとすれば私はどうするのだろう。

私は17歳。

いくら『今時は』とか『今の子は』と言っても、そんな風に子供は産まれてくるものなんだろうか。

私もそうやって産まれて17年間、生きてきたのだろうか。

考えれば考えるほど、綾菜にかける言葉は見つからない。

「そういや、彼氏は何て?」

妊娠は二人の問題だ。彼氏はどう思っているのだろう。

女の感覚もわからなければ、男の感覚もわからなかった。

年上で仕事をしているからって、17歳の子との結婚・出産を望んでいたのだろうか。

望んでいたのなら何故、今なんだろうか。

「産んでいいってさ」

「そうなんだ……」

『産んでいい』か。いいとか悪いとか、そんな感覚なんだ。

やっぱり何かおかしいよ。おかしいのはわからない私なのかな。