「俺、今初めてあいつのこと可愛いと思った。なにあいつ言動よく考えたら可愛すぎじゃん。なんか天然だし。」


これがこれからはじまる恋物語(ラブストーリー)のスタートだ。


「おい、司どこみてんだよ。さっきからひとりでぶつぶつ呟いて。」

「窓からあいつのこと眺めてた。」

「おいお前ついに好きなやつでもできたか。」(俺もお前に惚れてんだけどな気づけよアホ。)

「んー、好きかは分からんけど見てて可愛いし、なんか心配になるやつがいんだよね。」

「まじかよ。この学年そんなやつあいつしかいねーだろ。ほら今もこっち見てるし」

「は、圭なに言ってんだよ。誰だか分かんねーよ。まずそんなに女のこと意識してねーから分かんねーや。」

「は、なに言ってんだお前。この学年いや、学校イチ美女の寧音のことも眼中にねーのかお前。てか、あいつのことじゃねーのか?」

「いや、おれあいつのこと可愛いとも思わねーし、まず好きじゃねぇわ性格が。合わないし。」

「は、馬鹿じゃねぇの。じゃあお前誰のこと見てたんだよ。他にいたかお前が好きになりそうなやつが。理想高すぎの司くんに。」

「え、あぁ、俺が見てたのは羽音だけどなんかおかしなことでも?」

「お前まじかよ。確かに胸でけーし、顔はそこそこいーかも知んねーけどよ、イケメンの司様が相手するよーなやつじゃないだろ。まじかよ司。」

「は、イケメンってとこ間違ってるから。あと、俺は羽音のそんなとこで見惚れてた訳じゃねぇーから。あいつの日頃の言動見てて意識するようになったんだよ。あれこそ天然だし。寧音のこと天然とか言ってるやつ頭逝ってるでしょ。」

「ついに司も狂ったか。どんな美女が近づいてきても見向きもしねぇおめーがよ。」(隣にいる俺じゃダメなのかよ司)

「だって近づいてくる女はみんな金目当てでメンクイ女ばっかだからよ。」
それでもいーじゃねーかよ。(そっちの方がよっぽど安心だわこっちはとられる心配ないし…)

「あー、もういいお前と話しててもなんかこっちがムカつくだけだからいーわ。俺、春のとこ行ってくるから。」