ドキドキと鳴る胸をおさえながら、私は体育館裏へ向かっていた。
朝起きると宮森君からメールが入っていた。
『朝、体育館裏に来て。早めに』
ぶっきらぼうで絵文字もないメール。
昨日の今日だから、余計緊張してしまう。
今度こそ、ちゃんと目を見て話すんだ……!
意気込んでそっと体育館裏をのぞくと、長身の男の子が一人、立っていた。
……宮森君だ。
私も結構早めに出てきたつもりだったんだけど……
彼はそれより早かった。
朝早いからか、学校には人の気配が少なく、空気が澄んでいた。
これなら人の目につかない。
私の足音に気づいたのか、宮森君は携帯から私に視線を移した。
「……おはよ」
「………おはようっ……」
さっき意気込んだばっかりなのに…!
視線をそらすことに慣れてしまっている。