……どうしようっ…。


私はずっと頭の中をぐるぐるさせて考える。

と、とりあえず何か言わないと…!


そう思い、私はゆっくりと唇を動かす。

「……ちょ、ちょっとだけ考えさせて…、ください」


ようやく言った言葉がコレ。
すぐには返事ができなかった。


「……そっか、わかった」


宮森君はそう言って、カバンを持って教室を出て行ってしまった。


あ………、行ってしまった。
少し残念な気持ちを胸に、一人残された教室で思う。


……すぐに返事しなきゃ、ダメじゃない。
きっと呆れたかも…、ううん、こんなネガティブに考えちゃダメ。

さっきも、私は宮森君にハッキリと自分の気持ちを言えたじゃない。
彼なら受け止めてくれるんじゃないか……って、思えたじゃない。


……それに、なにより……
彼に…、宮森君に……、自分を知ってほしい。

彼と一緒なら安心できそう……、

自分の勝手な考えだけど、自然とそう思えた。