彼の代わりに君と

【池田 春】

「ねぇ、早く行こうよ。」

「待ってー!」

あれから、優と私は付き合って結婚までした。

お腹には、優との子供もいる。

男の子らしい。

「よし!行こう!」

「うん。

でも、無理しないで。気をつけてね。」

「分かってるよー」

それでも、彼の命日のお墓参りは欠かさない。

毎年行っている。

2人で。

お墓には、山瀬と書いてある。

そう、彼の名前は山瀬 翔太【やませ しょうた】

お腹の子も、翔太の翔を貰って

翔也【しょうや】にしようと思ってる。

だって、優と会えたのも私を変えてくれたのも翔太のおかげだから。

「ねぇ、翔太?

いつも、ありがとね。

お腹の中の子のことも見守っててね。

私、翔太の分まで頑張るから。」

また、来るね。

「春。行こうか。」

「うん。」





『翔太。大好きだよ。』






終わり