「だって…!

私が、君のことを好きだときづいてしまったら、彼の事を忘れてしまうかもしれない!

そんなことできない!

私が…覚えてないと…!

私のせいで、彼は死んでしまったの!

私のせいなの…だから、幸せになんか…!」

「春!それは違うよ?」

「紗智…」

「そんなこと、彼は望んでないの分かってるでしょう?

彼は、春の幸せを願ってた!

それは、今もきっと変わらない!

あれほど、春を大切にしてたのに。

春は、彼を理由にして人から逃げてただけだよ!

それは、春が一番分かってるでしょう?

受け入れないと、幸せにならないと彼も辛いと思うよ。

ねぇ、春。

私も、もう辛そうな春を見たくないんだよ…」

「だって…私は!」

「春…。」

「ふぇ…ひっく…」

涙が、止まらなくて。

分かってた。

本当は、分かってたけど怖かった。

また、突然消えてしまうのが。

だから、東雲くんに対するこの気持も押し殺そうとした。

でも、間違えだったのかな?

素直になったら、そのうち分かるのかな。

「池上…」

「東雲くん。ごめんね。

私、東雲くんが好き。」

もう、無理かもしれないけど。

もう、嫌われてしまったかもしれないけど。

気持ちを伝えたかった。