【池上 春】

家まで送ってもらった日から、仲良くなって。

友達にはなれたと思う。

東雲くんといると、楽しかったし

彼のことを忘れることもできた。

そのくらい、東雲くんとの時間は大切だった。

あの日は、彼のことを思い出しちゃって。

我慢できなくて、すこし泣いちゃってた。

でも、東雲くんにはバレなくなくて。

一生懸命何事も無かったかのようにしたのに。

突然抱きしめてきて。

なぜか、辛そうに。

「僕を利用してよ。」

とか、言うから。

大切な人だから、利用なんてできないのに。

そんなの、無理に決まってるのに。

無理やり、東雲くんから離れて。

「そんなの、できないよ…!

私にとって、東雲くんは大切な人なんだから!」

「でも、それは友達としてだよね。

僕は、違うんだよ。

僕は…春のことが好きなんだよ。」

私のことが、好き?

ビックリして、東雲くんを見上げると、

目が真剣で。

ほんとなんだ。って。

「だから、僕の事を…「ダメだよ!」

私が、あの時本当に泣いていた理由は…



君のことを好きになってしまったからなんだよ…!