応援するとは言ったももの、何をすればいいのか、
彼のことを特別知っているわけではない。強いていえば連絡先を知っているくらい。

そうひとりごとを言いながら部屋で携帯を見ていた。

彼と初めて話したのは入学式終わりの教室だった。話があると呼び出され、いきなり告白された。

彼はクールで、どちらかというと恋愛に興味なさそうに見えたから驚いた。
恋愛になんて興味がなかった私は、一緒にいても退屈するだけだろうからと思い、いい返事はしなかった。
それを聞いた彼が寂しそうな顔をしたので、友達ならと付け足した。

連絡先を交換したもののあまり話していないのが現状で、最後に話したのはちょうど一年前。

話しかけることに抵抗はないけど、なんて声をかけようか悩んでいる。

ももかが直接話せばいいと思うのだが、本人曰く、それは難易度が高いと言って私が話すことに。

とりあえずももかの思いは伝えずに、軽く好きなものとか聞いてみようかな。

ラインをひらいて、久しぶりとメッセージを送った。今さら感があるけど、高校では初めて同じクラスになるので、よろしくと挨拶をした。

するとすぐに返事がきた。

(久しぶりだな。一年間よろしくな)

その後どうやって次の会話に移ったのか覚えていない。

色々話してると彼のことが分かってきた。
クラスでは目立つタイプではなく、休み時間はほとんど本を読んでいる。

私みたいに冷たいとか、地味な子ではないので自然と周りに友達が寄ってきてはたのしそうに話している姿が印象的だ。

本人曰く、本を読んでいる時に声をかけられると高確率で機嫌が悪くなるらしい。

他にも好きなものはカレーと緑色。苦手なものは体育と虫。
休みの日はほとんど家にいるらしい。

「インドア派なのかな、なんか可愛いな」

心の声が口に出てしまい恥ずかしくなった。

明日ももかに教えなきゃな。

少しそわそわしている自分に違和感を感じながら眠りについた。