その時。



ーブォンブォン



っ!

「律様」



「「え?」」

「何?」



左右の裕哉と裕翔が反応したが無視して告げる。



「黒蛇かどうかは定かではありませんが、200程のバイクがここに向かってきてますよ」



ーー「!?」



まだ聞こえてないか。



「疑う暇があるなら、応戦出来るよう動く事をオススメします。あちらは奇襲のつもりで来てますから」



毒蛇、白蛇、毒蛇のどの情報にも、青龍に攻めるなんて情報も申し出も無かった。



つまり奇襲と認識し、こちらは応戦しなければならない。



応戦しなければ殺られるだけだ。



っ!?

「拳銃や金属バット、鉄パイプ等の武器は当たり前でしょう。………死人が出る可能性もありますよ」



ーーゾクッ「っ!?」



クソっ。



200なんて数じゃない。もっとだ、3倍近く居る。



黒蛇、白蛇毒蛇と3つが揃った可能性が高い。



亜夢も居ない。

これは完全に青龍から全国No.1を奪う気だ。



私のただならぬ雰囲気を感じたらしく玲は飛び起き、

察したのか律以外が立ち上がって扉から出て行った。



「………雪香は、ここで待ってて」



は?



律は俯きながら、無理にいつもの声を出そうとしてる様だ。



「お願い」



「無理です」



黒蛇だけならまだしも、数は多いのバックに組が居るのは当たり前。

そもそも異端の蛇同盟が来る時点で、青龍と華月でどうにか出来るものではない。



「じゃあ、命令」



っ!



律が歩き出す。



私の前で止まって、いつもの笑みを私に向ける。



「大丈夫!僕、ちゃんと実力で総長やってるんだから!」



何故だろう、動けない。



その間に律は私の横を通り過ぎ、幹部室から出る。



私は慌てて振り返る。



「雪香はここで、僕達の……ううん。…僕の、月詠律の帰りを待ってて」



そう言い、律は幹部室の扉を閉めた。



ーガチャ



鍵を掛ける音がした。



私はそのまま何故か、不安で動けないで居た。