「言われて見ればそうだね」



「うん。いつの間にか月夜も颯天も雪香へ警戒解いてたし、玲も懐いてるし」



瑠樹と律が今気付いたという雰囲気を漂わせながら普通に話している。



「それに、見事に僕達を見分けて、5人全員の名前もフルネームで間違いない所」



「その上高いハッキング能力に、僕達みたいな族が気を付けないといけない点を理解してる所」



「加えて、元々所持している情報量もね」



裕翔、裕哉、裕哉と話しながら、2人共先程とは違う小悪魔の様な笑みを浮かべている。



天使みたいな正反対な杏と凛とは大違いだな。



「そう、それそれ。喧嘩さえ出来れば敵には絶対回したくないっていうか、

まぁ今でもう回したくなくなったんだけどさ」



歩がそう言い、律から視線を移して私を見る。



「颯天と瑠樹の連携避けれたら、多分攻撃もすぐマスター出来ると思うんだけどねー」



いや、颯天と瑠樹の連携なんてまだまだだろ。



杏と凛の連携とは比べ物にならないくらい粗末だと思うぞ。



「ねぇねぇ、雪香?だっけ」



そんな事を思いながら居ると、裕翔に声を掛けられた。



「僕達と手合わせしてみない?下で」



「嫌です」



「「えー」」



即断ったのだが、2人は立ち上がって私の前に来て片腕ずつ掴む。



「大丈夫大丈夫、颯天と瑠樹2人の攻撃避けれたら僕達だって似たようなものだから」



「そうそう。それに、一石二鳥なんだよ?僕達の攻撃避けたら多分、青龍に認められるだろうし」



抗う間なくして立ち上がらされ、腕を組まれた。