「はい。ご存知かも知れませんが黒蛇には白蛇に毒蛇という同盟を組む族が2つあります」




ーー「………」



「そして、黒蛇には伊東。白蛇には西東。毒蛇には八幡と異端の組がついています。

同時に黒蛇白蛇毒蛇の3つの族は、戸賀という伊東と同盟関係にある異端の組の跡取り候補の

三兄弟がそれぞれ総長をしているので、異端の族3つと組4つは特に警戒した方が良いと思われます」



あっあと。

「ですから、こちらも同盟関係にあり青龍に続くNo.2の華月も同様です。

同盟であるからには参戦の可能性も視野に入れられるでしょうし、地位が地位です。

見回りの下っ端や幹部も例外なく、単独行動は避けた方が良いでしょう。

寧ろ大人数で固まって行動するのを勧めます」



これくら………あっ!


「加えて、全国2TOPの座を狙うが為に便乗してくる族が居てもおかしくありません」



そして、ほぼ私のせいなんだが………。

「それに、青龍と敵対したばかりに潰されただろう族の元構成員が集まっているらしいので、

それも警戒すべきかと」



……………。



沈黙?



やっぱり長かったか、話。

ついマシンガントークをしてしまったしな。



「………おいおい律。お前の護衛怖過ぎだろ」



怖い?



「どうして?」



「うーん、何から話して良いのか………」



不思議そうに問う律に、歩はうーんと考えている。



「………ソイツ最初の自己紹介終わった後、俺達に殺気向けたんだ」



歩に代わって千景が淡々と言った。



「え?」



「殺気?」



「その様子じゃ、すぐ側に居るのに律と瑠樹は気付かなかったんだろ。

それはコイツが殺気を完璧にコントロールして俺達に限定したからだ。

普通そんな事まず出来ない」



「そうだけど、それを雪香が?」



「うーん、でも僕と颯天の攻撃全部余裕で避けてたし………」



半信半疑…か。

まぁ当然だろうな。



私は喧嘩の出来ない、口が達者で逃げる事避ける事が得意と見せていて、

本性はほんの少し失態で見られただけだからな。



「大体、律達5人に個人として認められてる事がスゴイ」



哲哉が言った。

クールな雰囲気を醸し出しているのは、外見だけでなく声音からもだと思った。



「律と瑠樹はともかく、他の3人がね」



「ねー?月夜と颯天は文武の実力とか元々の人柄だし…」



「…玲は側に居ての居心地らしいし」



あぁ双子だなー。



裕哉、裕翔、裕哉と話す姿が杏と凛に重なる様な重ならない様な………。