教室に入ると、それなりにシーンとしていた。



全員が自習をしていた訳ではないが、

寝てたりスマホいじったりして会話は一切していなかった。



「来ましたねー。じゃ、決めますか」



円の後ろの黒板には競技名が書かれていた。



青龍が全員席についた。



「じゃ、まずは50メートル走から…………」



随分真面目な円に驚きつつ、私はボーッとしていた。



亜夢の動きを探るには、どうするにしろ律から離れなければならない。



ハッキングだとしても、伊藤組を潰すにしても、亜夢の後を付けるにしてもだ。



さて、やはりつららに協力を頼もうか………。



「これで良いですかねー」



円の声でハッとすると、

黒板の競技名の横に書かれた()の中にはそれぞれの名字が書き込まれていた。



………いや、おい。



100・200・400・1000・1500メートル走、障害物リレー、

パン食い・仮人・仮装競争、綱引き、喧嘩。



青龍の亜夢以外、出場種目多過ぎないか?ほぼ全部だぞ。



引き換え私の名は黒板には書かれなかった。

つまり、私は競技に出ない。



ちなみに亜夢は100メートルとパン食い・仮人リレー、綱引きに出るらしい。



「じゃあ一応これで終わりですね。後は…自習ですー」



そう言い退室して行った円。



シーンとした教室の中、月夜が立ち上がった事により青龍は教室を後にした。



勿論、律に付いて歩く私も含めて。