ーバンッ!



音を発てて屋上の扉が勢い良く開かれた。



「何や?」



視線を向けると、そこには円が居た。



「どおしたのぉ?先生ぇ」



明らかに円は顔を歪めた。



どうやら隠す気は無いらしい。



「昼休み前にどーしても決めときたい事があるんで来てくださいー。

ちなみに来なくて困るのはあなた達自身ですからねー」



亜夢の声に不快感を感じつつ、私が困るって何を決めるんだ。



「早く来て下さいよー」



嵐の様にフラッと来てフラッと帰った円に、少し遅れて颯天が反応した。



「しゃあないな。担任がわざわざここまで来て言ったんやから後回しや」



「僕避ける事は得意ですが喧嘩はちょっと………」

手加減とか面倒だから嫌だよ。



「ホンマか?」



「はい」

誰だって面倒なのは嫌だよ。



「………お前何か謙遜してそうや。それにどことなく理事長に似とるからな………」



私が慎に!?



…驚いてしまった。そんなの初めて言われたな。



「まエエわ。こっちはやる気やからな」



「颯天、雪香、話は後です。さ、行きますよ」



名前呼ばれた。



呼び捨てで、嫌悪なんか混じっていない普通の声で。



私が驚いてる間に、月夜の声に従い亜夢が瑠樹に腕を絡ませ、

何故かその視線は私に向けられた。



憎悪、嫌悪の混じった視線は不快だ。



だがスルーして、私は律の横に立って教室に向かった。