少しして、何か体育祭もどきの並び方をいつの間にか成した3学年。



今気付いたが、生徒が数人体操着に着替えていた。



如何にも運動系の生徒や、カッコ付けの生徒、

おそらく断れなかったのだろう生徒、チャラそうな生徒と多種多様だ。



だが気になる点がある。



何処って?



それは、いつの間にか設置された本部らしき所のテントと、

それを挟んで量際にある青龍のテントとソファー、桜花5代目と6代目のテントとソファーだ。



何でソファー?

何で特別扱い?



女子なんて学年問わず黄色い声上げてるぞ。



そんな中円と教師が2人の横の、運動場の中心で見覚えのある奴がマイクを持っていた。



律が隣で「あっ、理事長」と奴を見て言った。



そうか。



「ではこれから、学年同士の親交と私の娯楽を目的とした競い合いを始めます。

長い言葉はもう良いでしょう。皆さん、体育祭に向けて全力で頑張ってくださいね」



「「おおおおー!!!!!」」



突如として湧き上がった歓声に驚きつつ、

桜花初代総長時代から相変わらずの理事長こと、三枝慎之介に苦笑した。



自分の娯楽の為とハッキリと言うのは、多分私の知り合いの中で慎之介こと慎だけだ。



「準備が整ったので始めまーす。今年は去年みたいなのではなく、

端的に物理的な強さを示すものでーす」



端的に物理的な強さ………ね。



「何でこっち見てるのかな?円さんと理事長」



首をコテンとして問い掛けられ、私は「さぁ」と返して。