「えー唐突ですが、今日は学年合同で競い合いがありまーす」



………何それ。



私の困惑に気付いたのか、意地の悪そうな顔で微笑んで円が言った。



「まぁざっと去年と同じですから、関係ない人は関係ないんですがー」



………何故だろう、関係大アリな気がする。



「このクラスなら白雪君と月詠君ですねー」



マジかよ。



目を瞑った笑顔を維持しながら思う。



競い合いってなんだよ。何で私と律だけなんだよ。



「じゃあまぁ、運動場に移動しますか。他の方は自習か、見学でーす」



そういったものの、結局運動場には1年から3年までがほぼ揃ったのだろう。



多いなと思いながら参加者ゾーンに居ると、参加者に共通点がある事が分かった。



それは、従者をつけてるかどうかだ。



メイド服、執事服、制服と、付き人の格好は好き勝手らしい。



まぁ一目で区別を付ける為か、差別してるだけなのか………。



「雪香は初めてだったよね」



「えぇ。何です、これ」



一応聞いておこう。

律2年だし。



「えっとね、雪香の来るちょっと前に3学年共体育テストしたんだけど今度体育祭があって、

その体育祭で今回の競い合いの結果が影響してくるんだよ」



体育テストとか真面目な事するんだな。

いつもサボってるから知らなかった。



担任は円だし。



「例えば、同等くらいの実力ならライバルだとか、上級生になれば因縁の対決とか?

去年のも影響してて、ややこしかったりあっさりしてたり、そこは理事長の性格が影響しててね」



理事長は知らないが、テキトーに済ませる奴なんだろうな。



それだけは分かった。