「起きてー、姉ちゃん起きてー」



ん………?姉ちゃん?



しかもこれは雪希の声?



えっ、幻覚?それとも夢?



「姉ちゃん起きて!学校!」



学校………、あっ、そういえば青龍を見張るんだった。



いや、正確には律の護衛か。



目を開けると、そこには律の顔が吐息が掛かるぐらい近くにあった。



うん、可愛いけど。



「律、近い」



「これだけ起きるのが遅い。最初は部屋の外から呼んでたのに」



おー、全く気付かなかった。



「さっ、そんな事よりもハイ制服!男装なんてしてたから男子の」



そう渡されたのは、雪希の着る制服と比べるとシャツが色違いのもの。



黒のシャツ、パンツ、ネクタイ、靴下に、白のラインが所々に入ったブレザー。



それを一式で渡すと、雪希は私の部屋から出ていった。



その為、寝間着のTシャツを脱いで晒しを巻き、それから制服を着、

昨日と同じウィッグと眼鏡を掛けて、軽く髪を解かして準備完了。



あとはちゃちゃっと朝食まで含めた洗顔等の朝の身支度を終わらせ、

早々に雪希が居るであろう玄関に向かう。



長い廊下を音を発てないようにして走り抜け、玄関が見えて来ると同時に雪希と雪路の姿があった。



………あー、何か朝誰かと居るのって良いなー。



しかも、雪希も雪路も超端正な顔立ちしてるし、髪も綺麗だしスタイルは華奢だし超可愛い!