「それで、高校の入学式の日の昼ぐらいの倉庫で、私につけられたって腕とか足とかにある切り傷を皆に見せて、前に電話で青龍の情報教えてあげるとかって言ってたって言われて、そのまま颯天に追い出されて」



そんなの、そんなの信じるなよ。



青龍、お前らはホントに私の怒りに触れてくるよ。



そう目を瞑って心の中で思ってから、目を開ける。



ウィッグごとは取れないが、前髪を耳に掛けて眼鏡も取る。



「っ!綺麗」



何て言われるかと思ったが、まさか綺麗と言われるとは思わなかった。



「姉ちゃん、やっぱり桜花に匿った方が良いよね?」



「えっ?」



雪希の言葉に雪路が反応した。



「桜花って、世界トップの?」



………ん?



「雪希、雪路にも桜花って事言ってなかったの?」



「えっ、うっ、うん。言ったのは、じいちゃんだけ」



へぇ、桜花の決まりそこまで守ってるんだ。



が、それよりもだ。



確かに、颯天は今回雪路を殴ったし、言葉だけの暴力は月夜、颯天、玲の3人が向けてるからな。



律も瑠樹も止める様子は全く見られずだったしな。



「あぁ、桜花の正式な姫にして、6代目桜花幹部総出で雪路の側に居てやれ。いや、居ろ」



それで後悔させてやれ、青龍に。



騙されていた真実、自分達の犯していた数々の罪。



それを自分達で自覚し、雪路を信じれば良かったと後悔して悔やめ。



フフっ、フフフフフッ。