Home run[仮]



当日、私は自信に満ち溢れていた。
やれる事はやったし、


1回戦の対戦相手は前回大会で
ストレート勝ちをした相手だったからだ。


「余裕ですね!綾先輩」

「ふふっ 期待してるよ」


…完全に油断をしていた。
自分の過去の成績にあぐらをかいていた。


相手だって練習をしてきて、前回と同じ訳が無い


気づくのが遅かった。
気づいた時には、負けていた。


私に、悔し涙を堪えながら
「今まで有難う…」と笑う先輩の顔


最後の1点、ボールが地面に落ちる瞬間。


全てスローで覚えている。忘れられなかった。
油断しなければ、気を引き締めていれば…


先輩の最後の試合をあんな形で終わらせることはなかったはず。


後悔しても遅かった。


きちんと謝れないまま、
綾先輩は卒業していってしまった。


私は気持ちを切り替えられないまま、
3年生になった。