不意にされた呼び捨てにまた心臓が
ドキドキと音を立てる


「…な、なに?」


「これ俺の連絡先だから。」


「え?連絡先?」


「うん。梓の連絡先も教えて」


「…いいけど」


そう言って自分の連絡先を拓斗くんの携帯に打ち込んだ。


「…毎日15分。」


「え?」


「拓斗先生の授業するから。野球のルール」


「へ?」


「じゃあ…またな」


そう言い残して拓斗くんの後ろ姿はあっという間に小さくなっていった。


冗談で言ってたわけじゃなかったんだ。



「ってか、拓斗"先生"って ふふっ」