Home run[仮]



「ね!梓。あの先輩かっこいいね!」


考え黙り込んでいる私に葵が話しかけてきた。


「も〜っ葵はずっとそればっかり」


「いや〜、スポーツ男子も悪くないな〜って思っちゃって」


「まさか葵…入部しよう!とか言い出す?」


「察しが早いね〜、もう完全にあの先輩狙いだけど入部したいなーって。梓お願い!一緒に入ろ!」


「え〜…真剣にやってる人達の中に入るのってそんな中途半端な気持ちじゃ…」


「そうだけどさ!やりたいって気持ちが
重要だと思うんだよね。梓はいつも真面目すぎなんだよ〜見た目とのギャップ狙いなら大成功だけど」


「いや狙ってないわ。冗談言ってないで、ほんとにいいの?葵カフェでバイトしたいって言ってなかった?」


「いいのいいの、私あの先輩の役に立ちたい!
あ、もちろん他の部員のマネジメントもちゃんとするよ?やるって決めたからにはね。」


葵は昔からそうだった。即決で色んな事を決めるけどその選択にいつも真剣で、一生懸命だった。


自分で決めた事に後悔はしない、後悔しないように一生懸命にやる。それが葵だった。



優柔不断で後悔の多かった私は
葵にいつも憧れていた。


そんな事を思い出しながら野球のルールブック片手に最後まで見学させてもらった。