『おとー!寧々ちゃん来たわよー!』

「はぁーい!」


私は、早坂音(はやさか おと)
今日は春休み最終日。
明日から高校生!
よく告白されるけど恋愛経験ゼロ。
気になる人がいるからって全て断ってきた。
その気になる人っていうのが
同じ中学だった宮下稜駿くん。
彼はこわい顔してるけどすごく優しくて
紳士的な人なの。

「いってきまーす!」

『おはよう!音!」

「おはよ!」

この子は寧々。寧々は幼馴染。
登下校は幼稚園からずーっと一緒。
すごい綺麗でまるでモデルみたいな人。
彼氏持ちでその彼氏もなかなかのイケメン!
俊(しゅん)くんっていうんだけどね。
美男美女って感じで微笑ましい。
寧々は自分の可愛さに気づいてない...
だから可愛いっていったらすごい嫌がる。
性格は甘えん坊のかまってちゃん。そして極度の人見知りかな(笑)

「ねー、寧々!俊くんも同じ高校だよね?」

『うん、そだよ?俊は一個上だから同じクラスになれないしなぁー。』

「あー、そっか…俊くんやっぱモテるのかなー」

『俊がモテないわけないよね…まあ、私の彼氏だから譲らないよ?誰にも!』

「寧々はかっこいいなぁ...私も頑張らないとなぁ…」

『え!?音、彼氏でもできた?』

「そんなわけないじゃん…出来てたらもうとっくに知らせてるよー。」

『だよねー。音は稜駿一筋だもんねー。』

「寧々!声大きいよ…」

『あ、ごめんね?』

「うん…」

『そろそろ稜駿のこと決着つけなね?』

「そうだよねー。分かってるんだけどなかなか…」

『稜駿よんじゃおっか!』

「絶対来ないよ...」

『よんでみるだけ!!』

「…」

寧々はやるってなったらやる人だから
否定しても無駄なんだよなぁ…

『…もしもし?稜駿?』

『あ、なんだ、本間かー。』

『なんだって何!?』

『で、何の用?』

『稜駿いま何してんの?』

『ショッピングモールで買い物してっけど…』

『え、私も今いるよ!
ちょっと会えない?』

『いいよ、今行くわ。』

『はぁーい!』

はぁ...どんな顔して会えばいいんだろ…

「もう、寧々....」

『音!チャンスだよ!頑張って!』

「無理だよー。寧々みたいに可愛ければなぁ…しかも寧々が誘ったから来るだけで私がいるなんて思ってないよ。」

ーきた…

『よっ!』

『やっほー!あ、ごめんママから電話!待っててー!』

『来て早々かよ…』

「ごめんね?急に呼んだらして…お買い物良いの?」

『あぁ、別に暇だったから良いよ。』

「なら良かった。」

『ねぇ、音ちゃんさ、いつもと雰囲気違うね?』

「え、変かな...一応制服着てるんだけど…」

幼く見えてるとか…?やっぱ寧々が呼んだから来たんだよね…

『いや、なんか可愛い…//』

「えっ/////うそ…」

いまかわいいって…どうしよう。
ドキドキ止まらない…好きな人に
可愛いっていわれたらこんなどきどきするんだ…

『ほんとほんと!』

「あ、ありがとう////
あ、あのさ、稜駿くんはさ、なんで来てくれたの?寧々が呼んだから?」

『うーん、まー、そんなとこかな。』

「そっか!そっか!」

…何話していいかわかんないや…。