『よし!やろうぜ。』
僕は両手に花火を持ってぐるぐると回したりして楽しんだ。


そしてあっという間に時間が過ぎた。


『とうとう線香花火が2本と噴水型だけになったな。』


『早かったね。そうだ!線香花火でどっちが長い時間続けていられるか勝負ね。負けた人は何か秘密を話すんだよ?』


『いいよ。俺が勝ってここに来た理由を聞くからな。』


『いくよ。ヨーイスタート。』二人は同時に火をつけた。


真っ暗闇の中、二人の線香花火だけが二人を照らした。


静かな時間が流れて線香花火の火が小さくなった時、チィの口が開いた。


『私…明日スイスに行くんだ…。もう会えないよ。』

『えっ!??』


僕の持っていた線香花火の先が音も無く消えた。


僕は突然の事で言葉の意味を理解するのに数秒かかった。


『やったぁ〜チィの勝ちね。何の秘密教えてくれるの?』


『ズルいよ〜!そんな嘘をつくの!』
僕はそう言いながら本当に嘘であってくれと願った。


『……う…そ…じゃないんだ…。』
この一言で僕の願いはあっさりと消え去った。