あたしの目の前には…小さな箱。

ちづる。俺と…結婚して下さい。

小さな箱を開けると…
キラキラと光るダイヤの指輪が…。

キレイ…と言うあたしの、左手の薬指に
つけてくれた。

あの時のクリスマスの、アクアマリンと。
並んで、光る…。

すごいね…。
あたしの指は、幸せものだぁ…。

喜んでくれてるとこ、申し訳ないんだけど。
俺は、指だけ幸せにしたいわけじゃ…
ないんですけど?
ちづる、返事は…?

あ!と顔を上げると。

口を尖らせた先輩がいた。
ふふ。好きだなぁ…。
うん。ずっと…好きだったなぁ…。



先輩、あたし…。
ずーーっと前から…先輩のものだよ?

初めて、こんなに人を好きになって。
こーんなに好きな人に…愛されて…。

もう…とっくの昔に、幸せですけど?



…おまえ…泣きながら笑うな。

…先輩だって、泣いてるじゃん!

2人して、ボロボロの泣き顔のまま。

ずーっと一緒にいよう。
今までも、これからも。
ずっと。手をつないで生きていこうな。

ありがと…先輩…。

ちづる?

ん?

…いつも言おうと思ってたけどさ。
いいかげん…先輩はもうやめてくれよ。
俺、旦那様になるんだぞ?
名前で…呼んで欲しいもんだなぁ。

え…。そうか…
へへへへへ…やだ、照れるー。

やだじゃない。と、じっと見るから…。

たか…し?
呼び捨ては、無理だよぉ…。
たかしさん?たかしくん?
たか…くん?あ、かわいい。これにする。
と、宣言すると。

ま、まあいいか。と、満更でもなさそう。

ふふ。ほんとに可愛いなー。たかくんは。
きゃあ照れる!
と、笑うと…

アホ。照れるのはこっちだよ!と、
抱きしめる。

はぁ…緊張した。俺…。
でも、よかった…
もう、何でもしてあげたい気分だよ…。

…じゃあ…たかくん。
キスをちょうだい?と、甘えると。

…喜んで。

優しい目をして、ちゅっとしてくれる。

ちづる…かわいい…ちゅっ

ちづる…俺の…ちづる…

キスがどんどん深くなっていく…


ちづる、愛してるよ…。

あたしも…。受け止めきれないくらい…
愛をちょうだい…。

ん…覚悟しとけよ。