主催者の挨拶が始まった。

妊婦さんのマネージャーは、会場の壁際の
椅子に座ってもらったので、隣に並んだ。

何人か挨拶が続いている中…
マネージャーが小さな声で、話しはじめた。

時間か経つのは…早いもんだね。
あんたが、入学してから…
もう…8年かー。

はい…。早いです…ね。
あたしも、今年26歳になりました。

あの泣き虫のちづるがねぇ…。
あたしも歳をとるわけだわー。

やだな、いっこしか違わないじゃないですか!

ふふ。まあ、そうか。

で…さあ…。

はい?

あれから…あんたたち…どうなったの?

え?
一瞬、ドキっとした。

まあ、あんたは相変わらず独身だって言うし。
あちこち異動してるみたいだからさ。
まあ…。
話したくなきゃ無理しなくてもいいけどね。


…あれから…。
春休みすぐに、あたしは東京へ行って。

資金的なことと、先輩の休みが土日だけな
こともあって、あまりゆっくり会うことも
出来なかったけど…。

会えば嬉しくて。
でも…別れは悲しくて。

その繰り返しを、何度も味わううちに…。

会わないことに…。
だんだん慣れていったんです…。

マネージャーは、あたしの話を
黙って聞いていた。

と、続いていた挨拶が一区切りして、
みんな乾杯の準備を始めた。