伝票には、先輩の電話番号が書いてある。

まだ、電話をかけるには時間は遅くない。
大丈夫。

でも、なんて言おう。
お礼と…。

好きだって、伝えたい。

でも、最初で最後かも知れないなら…。

目を見て言いたい。
先輩の気持ちを、表情を、返事を。
ちゃんと受け止めたい。

こわい…けど…。
このままじゃいられない。


明日は先輩のバイトは無い日のはず。
まずは時間があるか聞いてみよう。

察して断られるかも知れないな…。

どうしてもダメなら、答えは間違いなく…。

そしたら。
せめて、伝えてサヨナラしよう。

好きでした。って。

好きでしたなんて、
言いたくなかったな…。

こんなに好きなのに。

震える手で、電話番号を押す。