駅に着いて、時刻表を見ると、
あと30分くらいで次の電車が来るようだった。

ちょっと座ってよっか。と、飲み物を買って
二人で並んで座った。

ちづる、今度いつ空いてる?

先輩の方が忙しいでしょ。
先輩の空いてる日は?

俺、明後日から来週までまた研修。

じゃあ再来週かぁ…。
しょうがないけど。
またしばらく会えないね。

ん…。ごめん。と、しばらく黙りこみ。

なんかさ、会わないでいると我慢できるのに、
なんで会うと我慢できなくなるんだろうな…。

そうだね。わかる。あたしも。

目があって。
先輩があたしの手を握った。

俺、このまま今日こっち泊まろうかなー。
明日帰れば、研修間に合うし。
だめ?と。ニヤける。

あたしが、ダメって言うと思ってないでしょ?
ちょっとにらんで言うと。

え?だめだった?と、慌てる。

だめ。


…じゃない…。と、笑うあたしに。

なんだよー。
あ、いててて。と、頭をかかえる。

え、大丈夫??と、あたしも慌てると。

しかえしー。
もうだいぶさめてきた。と、ずるい顔をする。

よし、そうと決まれば。
2人とも、それぞれ家と寮に連絡し。
どうせなら、電車でちょっと遠くまで行こう。
と、見つけた旅館を予約して。
すぐに電車に飛び乗った。

温泉、楽しみー。と、言うと。
浴衣姿、楽しみー。と、笑う。

もう!
ほら、食事もすごい美味しそう!と言うと。
ちづるも美味しそう。と、笑う。

こら、酔っぱらいー!と、言いつつ
頬染めてしまうあたしなのだった…。