門限ギリギリに寮に帰ってから。

何も…手に付かなかった。
明日なんて来なきゃいい…。

…でも、まだ会えるんだよね。
明日も…。
クリスマスも。その後だってきっと。

あたしたちは、終わるわけじゃない。

寂しいけど。泣きたくなるけど。
あたしたちの未来を終わらせたく…ない!

頑張るって決めたじゃない。
2人で頑張ろうって、約束したもん。

明日は、泣かないで見送ろう。

未来をあきらめたわけじゃない。

ちょっと元気が出て、寝ようとしたら。

先輩から電話が来た。

ちづる?起きてた?

…はぁ。その声。好きすぎる。

え?何言ってるの。と、笑う先輩。

あ、もれてた心の声。と、言うと。

また笑って。

…よかった。元気そうで。と優しい声。

元気ですよー。大丈夫。
先輩こそ、寂しくて泣いてませんか?
と、言うと。

ちょっと黙ってから。
…ばーか。泣くかー。と、笑ってる。

明日、忙しいですもんね。
あたしいなくても、ちゃんと寝るんですよ?
と、からかうあたし。

…おまえ。
俺泣かそうとしてるだろ。

と言われて、ドキっとする。

俺だって…寂しいんだぞ。

明日、必ず顔見て帰るから。

うん…。わかった。
待ってるね。

おやすみと電話切って。

嬉しいと悲しいが、またまざってる。
気持ちはちゃんとつながってる。
離れるのは…体だけ。

大好きだよ。先輩。

久しぶりに入った自分の布団は、
…少し冷たかった。