先輩の体を支えるように、部屋に入り。
ベッドに寝かせた。
パジャマの上からでも、体が熱いのが
わかる…。

先輩、病院は?!と言うと、

いや…いいかなと思って…。などと言う。

体温計もないと言うし、あまり食べてないし、薬も飲んでないと。

もう、怒りも頂点で。

どうして早くあたしを呼んでくれないの?
こんなにひどくなる前に!

情けなくて泣きたくなった。

もう夕方だ。病院はもう閉まってる。

おでこに手を当てると。
ちづる、手冷たいね…。外寒かったんでしょ。
と、あたしを心配する。

あのね。先輩が熱あるんだよ?

本気で怒るあたしに、
こわっと、毛布で顔を隠そうとする。

あんなに大人な先輩が、子供に見えてしまう。
つい、あきれながらも、あたしが守らなきゃ
と思う。
これが、母性本能ってやつね…。

よし。ここは、あたしが頑張らないと。

先輩、ご飯食べれそう?と、聞くと

ん…あんまり。と、言うので、
これ、まず飲んで。と、栄養剤を渡す。

素直に飲み干し、にがっと笑う先輩。
可愛いけど、まだ、ゆるさん。
じゃ、この薬飲んで。と、渡すと、
また素直に飲んで、また、にがっと言う。

じゃ、少し寝てて。
あたし、今日ここ泊まるね?と、言うと

でも、布団片付けちゃったし。
風邪うつるよ…と、言いかけて。
あたしの顔見て、やめた。

わかった。わかったから。
大人しく寝ます…。と、布団に入った。

あたし、そんなに、怖い顔してる…んだね?