先輩と約束した時間に、いつもの場所で
待ってると、すぐに車がやって来た。

お待たせ。と、笑う先輩に、
全然待ってないですよ?と、言うと。
そお?いいから、早く乗って乗って。と。
いつもより嬉しそう。

あたしと同じ位、楽しみにしてくれてたの
かな。と、嬉しくなる。
この三日間で、行きたい所、やりたい事を
相談していた。

まずは、遠出して。
海の側のカフェでランチ!

海なんて、季節はずれだけど
今日は天気も良くて少し暖かい。

お互い好きなCDをかけ、時に口ずさみ
ながら、他愛もない話をしてるうちに
お店についた。

車を降りると、いつもより少しオシャレな
先輩に驚く。
あたしの顔を見て察したのか、
かっこいい?と、ふざけてドヤ顔を作る。

うん。とっても。
と、真面目に答えるあたしの頭に、いつものように、ぽんと手を置き。
いい子だねぇ。と笑う。

今日は子供扱いされたくない。

あたしは、先輩の手を取りぎゅっと握って
言った。

本当は緊張してる。今日はずっと最初から。
でも、頑張って言ってみたら。

ちょっとびっくりした顔したけど、
すぐ優しい声で、
わかったよ。と、微笑んだ。

あたしの手をぎゅっと握り返し。

行こうか。ちづる。と、いたずらっ子のような
顔をして言った。

ドキっとしながらも。

返事の代わりに、先輩の指にあたしの指を
からめて、真っ直ぐ目を見た。

あたしの本気の覚悟が、伝わったのか。

先輩の方が、今度は赤くなった。