ドライブは、ちょっと離れた大きな公園に
向かった。

少し寒くなってきたけど、天気が良くて
気持ちがいい。車を降りて行くと、
年配のご夫婦が手をつないで前を歩いていた。

若者も、負けられませんよ?と、手を出す
先輩。
もう手をつなぐのは、何度目だろう。
いつか、自然にできるようになるのかな。
まだ、恥ずかしいけど。

今日のバイト朝までだと…
明日は寝てますよね?と、聞くと。

そうだね。昨日も寝不足だから。と、
ちょっと照れ笑いして言う。

明日、授業だよね。
終わった頃に電話するよ。

週末また、うちにおいで。
練習終わった後、迎えに行くよ。

先の約束が、こんなに嬉しいものだと
知らなかったな…。
ほんとに、すごいパワーになる。

あたしの顔を、のぞき込み、
聞いてる?と、あきれ顔。

なんだかね。
幸せすぎて、こわいなぁ。

真剣に言ってるのに、先輩は、
ぶっと吹き出す。

もう。ひどい!
そんな、笑わなくったって!

怒るあたしの、頭をなでて
ごめんごめん。怒らない怒らない。と、
また笑ってる。

そんな、子供扱いしなくても…。と、
ちょっとにらむと。

子供扱い…しなくていいの?
と、あたしの目を真っ直ぐ見る。

ドキドキして、返事が出来ないあたしに、

まあ、無理しなくていいよ。
ちづるちゃんは、そのままで。と、
また頭にぽんと手をのせる。

優しい声。

大好き。でも、ちょっとこわい。

もう少しだけ…お子ちゃまでいさせて下さい。
待ってて。先輩…。