超特急でシャワーに向かい、急いで髪を
乾かすあたしの顔が鏡にうつる。

シャワー熱かったからかな。
顔が火照ってる気がする。

…お子ちゃまなあたし。

先輩は彼女もいた人で。
あんな優しい人で。

あたしでいいんだろうか…。

頭ブルブルと振って、嫌な考えを振り落とす。

先輩は、あたしでいいと言ったもの。
…とにかく、少しでも長く一緒にいたい。
いそごっ。

まだ乾いてない髪をポニーテールにし、
手早く着替えて寮を出た。

車の窓ガラスを、コンコンとたたくと、
ほんとに寝てたらしい先輩が、飛び起きる。

助手席に座ったあたしを見て、
また幼くなったんじゃない?と、
頭に手を乗せた。

またドキッとさせるんだから…。

えー、そんなことないです。と、ふくれると。
笑ってヒーターを強めてくれた。

風邪ひくよ。と、静かな声で。

そんなに急がなくてもよかったのに。
と、あたしを見るから。

少しでも長く一緒にいたいんです…。
つぶやいてしまった。

ちょっと間があって…。

うん。俺も。と、笑ってくれた。

どこ行こうか。遠出する時間はないけど、
ドライブでもしようか。

はい!と、元気よく答えると。

いいお返事。と、また笑われた。