朝、まぶしい気がして目が覚めた。

ここ…?
あ、あたしの部屋じゃなかった。
薄手のカーテンから、朝日がもれている。

あ!と、隣を見ると。

いた…。
先輩が、寝てる…。
夢じゃなかったんだよね…。

案外、寝相がいいんだ。先輩。
あたしのために伸ばした手だけ、布団から
出てる。

ふふ。かわいい。
枕元にしゃがんで笑ってると、先輩が
うすく目を開けた。

おはよ…何笑ってるの…?
寝ぼけた様子で聞くのもかわいい。

なんでもないです。と、クスクス笑ってると
目が覚めてきたのか、
なんだよーと、笑いながら、あたしを
ぎゅっと抱きしめた。

おはよ。と、いたずらっぽく笑う。

まだ、幸せな夢が続いてる…。

よし、今日は夕方まで俺は予定無いけど、
どうする?と、言われて。

あたしは、何もないです!
明日も明後日もないです!と、答えると。

あれ、授業は?と、笑う。

…今日はほんとにないです。
明日と明後日は、3講目と4講目…。

授業はサボっちゃダメでしょー。
んーと、じゃあ一度寮に送ってこうか。
着替えたいでしょ?
近くに車止めて待ってるから。

待ってると言われて、とたんに嬉しくなる。

その顔は、OKだね。
よし、じゃまずは顔洗って、朝ごはん
買ってくるわ。その間に、帰る用意してて。

コンビニのサンドイッチを食べ、
寮まで送ってもらった。

ゆっくり、用意してきていいよ。
車で寝てるから。と、笑う。

先輩、昨日寝れなかったんですか?
あ、あたし、いびきとか!!?
ぎょっとするあたしに、

大人の事情があってね。
お子ちゃまはいいから、早く行っといで。

と、笑う先輩。

お子ちゃまと言われて、ちょっと思い出した。
寝る時聞こえた気がした先輩の声。

そ、そっか…。
とたんに、恥ずかしくなる。

じゃ、行ってきます!と、走った。