先輩が、着替えを貸してくれた。

洗面所で、こそこそ着替えるあたしを笑い、
出ていったら、ぶかぶかだね。と、笑い、
スエットの足が余って、転びそうなあたしを
見て笑う。

あたしは、ずっとドキドキしてるのに。


先輩のベッドの横に、簡単なお布団がひいて
あった。

ちづるちゃん、ベッドいいよー。

あ、ありがとうございます。と、言う
あたしに。

敬語はもういいよー。と、笑う。

そ、そっか…。頑張ります…。
あ。と、言うあたしに、また笑う。

話したいことはいっぱいある。
聞きたいこともいっぱい。

でも。
じゃ、寝よっか。と、ベッドの横のお布団に
入る先輩。

1人、ベッドに入ると。

電気消すよー。と、声がして、暗くなる。

ドキドキしてる反面、ちょっと寂しくなる。

先輩?と、呼ぶと、ん?と声がする。

暗くて、顔が見えない…。
もっと寂しくなって、つい、

先輩、手つないでいい?と、聞いてしまった。

ん。と、手が伸びてくるのを感じた。
つないだ手があったかい。

ほっとして眠くなる。

おやすみなさい。と、言うと、

うん、おやすみ。と優しい声がする。

ウトウトしてきた時に、遠くで先輩の
声が聞こえた気がした。

俺、寝れっかな…。