先輩!と、大きな声で呼ぶと。

え?と、顔をあげてあたしを見る。

…つ、付き合って下さい!
お願いします!
あたし、頑張ります!

一気に言って、顔あげてられなくて下を
向いてしまう。体が震える。
やっぱり、先輩は受け入れてくれないのかな…。

…本当にいいの?と、声がする。

照れながら、でもゆっくりと静かに。

そうだね…。
うん…。頑張ろうか。一緒に。


そこには、あたしの大好きな。
あの笑顔があった。

あぁ、好き。先輩大好き。
ほんとに好き。
よかった…。
あたし、先輩の彼女になれたんだね。
うそみたい…。幸せすぎる。


…ふと、気づく。

先輩?
あたし、言ってほしいです。

心なしか、先輩がギクッとしたような。

言ってもらってないもん。
ちゃんと、先輩の気持ち。
あたしのこと、どう思ってるか。

い、いや…そんな、ねぇ?
顔を赤くして、慌てて、後ずさる先輩。

だめ。ずるい。あたしばっかり!
詰め寄るあたしに。

わ、わかった。わかったから。と、
手でストップをかける。

んー…と。ん〜…。と、しどろもどろの
先輩が、とてつもなく可愛くて。

つい、ニヤケてしまう。

こら、笑ってんな!

口調も、どんどん距離が近づく。

ほんとは、言われなくても感じてる。
あたしのこと、大事に思ってくれてる。
信じていいんだって、感じてる。

でもさ、初めての告白…。
されてみたい〜!!

ワクワクしながら、待ってると。

ふっと目の前に近づき。

ごめん。
本当はすごい好きだった。

と、素早くあたしに、キスをして離れた。

ひ、ひぇー。
顔から火が出そうなあたしに向かって。


形勢逆転。と、ニヤリと先輩が笑った。


はい。負けました…。