何食べたい?と言っても…。
あんまりお店詳しくないんだけどね。

普段より近い距離で、あの低い声が聞こえる。
耳が熱を持ってるように感じる。

何でも食べられます!
あたしも、お店は全然詳しくないので…
どこでもいいです!

先輩と一緒なら、どこでも。
心の中でそう付け足す。

そっかー。じゃあ、おまかせってことで。
文句言うなよぉー。と、笑う。

甘い。
甘くないです?先輩…。
顔がほてる。
緊張してるのは、あたしだけなのね…?

それから、車の中の先輩は。
サークルの先輩たちの笑い話やら、この間の
大会の話やら、いろんな話をしてくれた。

こんなにしゃべる人だったんだ。と、
ビックリするほど。

だんだん、あたしの緊張がほどけてきて。
周りの景色を見る余裕が出来た頃。

ついたよー。と、車が止まった。

そこは、街中の地下駐車場。

この上のお店だよ。
行こうか。と、先輩が笑う。

入ると、少し落とした照明で、落ち着いた
雰囲気のレストランだった。

そこそこ人が入っているようで、ちょっと
待っていると、店員さんが来て。

お二人様ですか?と。

お、おふたりさま…。

クラクラする。
先輩と、あたし。
二人だけ。

どう見ても、彼氏と彼女的な扱いで
店員さんが席へと案内してくれた。

席について、改めて先輩の顔を見ると。

テーブルの小さな間接照明で、
いつもよりずっと…。

か、かっこいい!
こわい。あたし、幸せすぎる。
どうなっちゃうの??