華苗side

『お姉ちゃん…』

え、誰?

目をあけると何も無い真っ黒な空間に1人ぽつんと立っていた

『私だよ。愛佳。』

『愛佳!』

あたりを見回しても誰もいない

『どこにいるの?!愛佳!』

『お姉ちゃん…そんなに大きい声を出さないでよ』

『だって!愛佳なんでしょ?!どうして…』

『お姉ちゃん…私お姉ちゃんに感謝してるの』

『えっ…』

『蘭からきいたでしょ?私いじめられてたの。蘭は助けられなかったって自分を責めてた…

けどね…あれはしょうがなかった…むしろ私がターゲットで良かった』

『愛佳…』

『あの日…お姉ちゃんは私を連れ出してくれたでしょ?』

『ごめん…愛佳…うちのせいでっ!』

『お姉ちゃん…それは違う。私、本当はあの日自殺しようとしてた』

『うそ…』

『ホントのこと。嫌がった私を無理やりバイクに乗せて連れ出してくれた。

その後後ろから居眠り運転をしたトラックが突っ込んで来た時、私、夢をみたの』

『夢…?』

『私のいのちと命と引き換えにお姉ちゃんを守ることが出来る…そう教えてくれたの。

私は迷わずお願いしますって答えてた』

『まな…か…』

『今、私はお姉ちゃんの心で生きてるの。お姉ちゃん病気諦めてるでしょ…?

私が守った命なんだから…大切につかってよね!』

『そうだったのか…。ごめん愛佳…。

もう諦めないようにしようかな。頑張って生きてみるよ…。

守りたい物も、大切な人もいるからね』

『…お姉ちゃん…ありがとう』

『愛佳?』

その言葉を最後に愛佳の言葉はきこえなくなった

もっと話がしたかった…

そう思った瞬間突然眠気に襲われ眼を閉じた