華苗side

「私はかな姉が憎い。私の親友を奪った!いとこである親友を!」

蘭が叫んだ

…ごめんな蘭…

全部うちが悪いんだ

だから何も言い返せないし言い返す気力も理由もない

…うちは生きてちゃいけない人間なんだ…

そろそろこの命もつきる

それがちょっとはやく蘭に殺されるだけのこと

別にどうってことない


蘭に引っ張られてうちが閉じ込められてた部屋に連れてかれた

「…ごめんね…蘭…。うちを殺すんでしょ…?いいよ。うちは生きてちゃいけないから

死んでも罪を償いきれないかもな…。それぐらいのことをしたんだよ…」

「っ!かな姉!違うの!」

「違わない!うちは愛佳(マナカ)を殺したんだよ??うちが…っ!実の妹を!」

「愛佳の事はかな姉のせいじゃない!さっきのも全部嘘!

恨んでないし、殺したいとも思ってない!」

「…えっ…?じゃぁなんで…」

「生きてちゃいけないのは私の方…愛佳、学校でいじめられてたの…」

「う、そ…だろ?」

「本当。私は助けれなかった…止めれなかった。ターゲットが自分になるのが怖かった…っ!」

「そんな…」

「そんな時、かな姉と愛佳が事故にあって、愛佳は…死んだ…後悔しても遅かった……

私は愛佳の所に行く…謝りにいくんだ…!」

そう言って蘭は窓の前に立った

何かに取り憑かれてるみたいに目に光が宿っていなかった

「…蘭…?」

「さよなら…かな姉…今までありがとう」

「蘭っ!!!」

止めようと手を伸ばしたが遅かった

蘭が窓から飛び降りた…

そう理解するのには1秒もいらなかった

「…蘭…?うそだよね?また大切な人を失うの…?」

心臓がドクドク音を立てる

ハァハァハァハァ

苦しい…

「…蘭!蘭!いやぁぁぁぁ!」

「華苗!蘭!…華苗?!」

未雪が急いでドアをあけ、近寄ってきた

「未雪…!蘭が!蘭が!うっ…ハァハァ」

心臓が痛い…!

あぁ、大切な人を失ったまま死んでいくのかな?

意識がもうろうとする中、未雪の焦る顔と星河の泣きそうな顔を見て意識が途切れた