「着いた」

そう言われて顔を上げるとそこにはチャラい感じの男子が沢山いた

「響也さん。こんにちわー。あれ?その子は?」

「えぇー。茜がいるのに浮気?笑」

え?茜がいるのにってどういうことなの?

「まー、黙れって。そのうち分かるよ笑」

ニヤッとしたかと思えば私の手首を掴んで上の部屋に連れてかれた



「え?響也?い、痛いよ…」

「あーごめんね?」

謝ってるくせに力を緩めない

ドアを開けたかと思えばそこにはいかにもガラが悪そうな奴が座っていた

その横に

「あ、かね?」

「えぇー。蘭もいるのぉ?まぁ響也は私のだから」

って言って響也の背中に手を回した

「なっ……!」

急いで引き離そうとするけど

「茜ー。やっとくっついていられる」

「え?」

次の瞬間響也と茜の口はくっついていた

目の前で堂々と浮気を見ちゃって、涙もでてこなかった

「ねぇねぇ。蘭?今、浮気してるっておもってるでしょぉ?」

「そうでしょ?じゃなかったらなに?」

もう怒ることさえも出来なかった

これまでにないくらい感情がなくて自分でもちょっとビビってた

「んー?響也ぁー。なんて説明するのぉ?」

「いいよ。俺が説明する」

茜から手を離して私の前で止まる

「今日お前をここに連れてきたのは、今日からお前は道具になるからだ」

「ど、うぐ?」

「そー。道具。元々お前には興味なかったし。俺は付き合ってるって言っても上辺だけだと思ってたからな。お前が俺のこと彼氏とか思ってたとしたら…。お前は浮気相手だな」

うそ…でしょ?付き合ってるって思ってたのは私だけ…

しかも浮気相手だった

でもそれは私が響也のことを彼氏だと思ってるならで…

もう意味が分からなくなった

響也と茜は私なんて見えないかのようにイチャイチャしてる

あと一人BLACKSの総長がソファーで寝てる

そんな中に私は1人気力を失っていた