1番大切な君へ

ヤバいバレた!そう叫びたいがここは病院。患者の迷惑になる

そっと声をおさえ、静かに優さんを見つめる

チラッと未雪の方を見ると焦っている

それもそのはず、げんに自分も焦ってる

「…はぁー、2人が出掛けてたことぐらい知っていたよ」

「え?」

優さんの意外な言葉に驚きが隠せない

なんでバレた?どこで?

そんな疑問が頭に浮かぶ

「お前ら、俺をなめてるだろ?…まぁーいい。

お前らは何のために喧嘩をしているんだ?……無意味な喧嘩はやめろ」

何のためって、そんなの自分でもききたいぐらいだ

理由なんてない……全てに関して…

「喧嘩がしたいなら俺はいいと思うぞ?

…けどな、無意味な喧嘩は嫌いだ。喧嘩をするなら守りたいものを守るための喧嘩をしろ。
ないなら、お前らが作ればいい。」

うちらが作る?そんなことして何になる?
どうせ死ぬんだし…

「…そんなことしたって、意味ないじゃん」

ボソッとつぶやいた
その言葉を聞き取ったのか優さんが

「守りたいものを作るってことは、生きる理由になる。どんな時でも守りたいものをな。」

そう言って優さんは真美さんを見る

2人は微笑んで、私たちの方に顔を向ける

「あなた達は女の子なのよ?
守るのもいいと思うけど、守られるべきよ。いつか守ってくれる人を見つけるといいわ。

運命の人を見つけてしまったらあなた達なもう2度と生きる理由がないなんて言わなくなる」

真美さんは優さんを見つめる

ああ、2人はそうゆう関係なんだと分かる

「俺たちは来月結婚するんだ。お前らにもきっといい未来が待っているはずだ。」

「…でも…」

未雪がポツリとつぶやいた

そうよ、未来なんて私たちにはないのに

どうやってその未来がみえるわけ?!
いい未来?何それ?そんなのあるわけないじゃない?!

怒りと悲しみの声を胸に押し殺し優さんと真美さんを見つめる

そんな気持ちを込め、目で訴える

「……華苗、未雪、未来がないなんて誰が決めた?

未来を作るのは自分自身だ、お前ら次第ってことだよ」