「“Cyclone”って知ってるか?」
「・・・サ、サイクロン・・?
台風ですか?」
「・・・俺達もまだまだだな・・。」
隼人さんは僕の回答に少しうなだれた。
「俺とカスミは“Cyclone”ってバンド組んでるんだよ。
あいつはボーカルで俺はベース。
他にあと3人いて5人で活動してる。」
「バンド・・・・・・・。」
「まぁ絶賛インディーズ活動中だけどな。」
隼人さんはスマホをチラ見すると再び僕の顔を見た。
「和也は音楽聴くか?」
「・・・・全然聴かないです。」
「好きなアーティストいないの?」
「はい・・。」
「よし、飯行くぞ。」
「え!?」
隼人さんは先程まで市川君が被っていたヘルメットを僕に渡してきた。



